超特急『Dramatic Seven』- 567 -
後半車両いきまーす。
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担当している罪:憤怒
モチーフになっている動物:ドラゴン
-この曲は、“略奪愛”で、感情のままに生きてる僕らしい曲ですね。とにかく抑え切れない欲情に満ちて、危険なトラップに踏み込んでしまう…という。曲もダンスナンバーで、これはカッコ良いサイドの超特急です。-
Q.ユーキさんはダンスに対する向上心がとにかく強いなと感じます。ダンス表現と向き合う中で、弱音を吐きたくなるときもある?
僕、誰かにリスペクトされるようなダンサーになりたいんです。それと超特急のユーキとしては「自分のダンスでみんなのことを満たしたい」っていう思いもあったりします。だから弱音も吐きたくないし。やらなきゃいけないことはたくさんあるし、できないことはないとも思ってる。落ちるときはすごく落ちますよ(笑)。でもヘコんだときのほうが、明るいときの自分よりも可能性が広がって強くなれる気がする。立ち止まったまま進歩しないでこの先踊れなくなるのは嫌だっていう気持ちが大きいから、結果的に行動に移せるんです。「もっともっとやんなきゃ、自分!」って。未来を見据えてがんばる感じというか。
Q.超特急全体のパフォーマンスについてはどう思う?
以前と比べたら、どんどん高いスキルを求められるようになってきていると思います。超特急のパフォーマンスは表現力を特に重要視してる。どんなに踊りがうまくても、そこに加わる表現力の差でパフォーマンスの見え方はだいぶ変わってくるんです。なので、そこに対する意識は徹底していますね。
─そうなんですね。
超特急は今まさにがんばりどきですよ。もちろん自分を含めあと2、3年はがんばりどきだと思います。この期間をやり抜いたら超特急のダンスのスタイルをもっと認識してもらえると思うし、ほかのジャンルのダンスだって胸を張って表現できるグループになれると思う。でも何よりも超特急ならではの表現……僕らのちょっと変わったダンススタイルを、早く確立させたいです。超特急のスタイルを真似してくれる人たちが出てきてくれるようになったら、すごくうれしいなと思います。
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担当している罪:暴食
モチーフになっている動物:虎
-この曲のテーマは“人間愛”で、誰かに愛を届けるという気持ちのこもったミドルバラードです。今まで自分はアッパー曲で変顔するようなタイプだったんですけど、そこは“生まれ変わっても、愛してる。”がテーマなので、ちょっと“ユースケ一回お休み!”って感じです。-
コーイチ:逆に等身大じゃない? むしろ、“ユースケおかえり!”って気もする。
タクヤ:うん。今までどっか行ってたネジが見つかった感じ。
ユースケ:あぁ、自分の中でね。ほんわかするような、日常の愛を描いている歌です!
Q.ユースケさんはステージ上では叫んだりヘン顔をしたりとインパクトを与える役目を担っているから、観る側の第一印象はそういう姿に紐付いた感想が多いのでは…?
もうね、本当にね!(笑) というかワンパターンなのがダメなんです、僕が。「バッタマン」でいろいろ叫んでますけど、表情は全然変わってないんですよ。変えようと努力はしているけど、ライブ中はアドレナリンが出ているからなかなか思うようにはいかなくて。で、そんな感じだから……いろんな意見をもらうわけです(笑)。意見をもらうことは自分のためになるしありがたいことだから、真摯に受け止めて頑張らなきゃって思うんですけど……ちょっと気持ちが折れちゃったときがあって。
─そうだったんですね。
「『バッタマン』やりたくない。僕もうヘン顔したくない!」「『Burn!』で歌いたくない」って引きこもりそうになった時期が、夏にあったんです。でもそのときにヒントをくれたのがヒャダインさん(『バッタマン』作詞作曲者)とえんどぅさん(『バッタマン』振付師)とコーイチだったんですよ。コーイチ! もう彼がね……ライブの前に大事な話し合いをしているときに、僕のせいで不穏な空気が流れちゃった日があって。そのときにコーイチが僕を呼び出して「ユースケはもっと自信持ったほうがいいよ!」「ユースケ、ほかのアーティストと戦えるのってユースケしかいないと思うんだよ。お前ってすごいんだよ」って言ってくれたんです。もうそれを聞いた瞬間涙が止まらなくて、これからライブだっていうのに僕、号泣しちゃって。でもコーイチの言葉のおかげですぐに「『バッタマン』やりたい。早くヘン顔させて!」って気持ちになれて(笑)、それからはもう吹っ切れました。そんな挫折があったからこそ、今の自分がいるというか。これは超特急全体に言えることなんですけど、僕らは今、上に進んで行くためにいろんなものを貫いていかなきゃいけないポイントにいるんじゃないかなと思う……うん、今を乗り越えていきたいです。いろんなことを思われながら、成長していきたいと思います。
Q.ユースケさんはそうやって突破口を開くようなポジションに立つことが多いですが、自分ではどんな役割を担っていきたいと思う?
これまでは、前に出たいとはあまり思っていなかったんです(笑)。でも「バッタマン」が僕を変えて、今は「前に出て踊りたい」と思いますし……例え後ろにいるときでも「なんか1人おかしいやついるな?」って思わせたい。超特急が誰かの印象に残るのなら僕はなんだってするので、ライブでは来てくれた皆さんを盛り上げる“切り込み隊長”になりたい。超特急の入り口になりたいです。
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担当している罪:怠惰
モチーフになっている動物:フェニックス
-この曲のテーマは“大人の愛”で、今までは大人っぽい楽曲でも、ちょっと背伸びしてる感じが正直あったんですよ。でも、今年は成人も迎えましたし、自然体でもしっかり大人として歌っていこうと。この曲はそれの第一弾で、ジャズっぽい楽曲に少しポップな感じも残っているところも、“成長中”な今の自分に合ってるんじゃないかなと思います。-
コーイチ:特に今回は歌謡曲とかポップスとか今までと違う角度の曲も多くて、そういう曲にタカシの声ってバシッ!とはまるから、より彼の存在意義が明確になった気がしますね。
Q.表現法を変えたりする中で自分の成長を感じたりした?
今回は自分の中で「どれだけ1つひとつの曲の中で生きることができるか?」っていう課題を持って臨むことができて。そこは「成長できた部分かな?」と思います。僕は演技も好きなので、演じることと歌うことをリンクさせてみたんです。今までは演技と歌は別物だと思っていたんですけど、感情を言葉に乗せてぶつけるところとか、似ているなって思い始めて。なので、1曲の中に自分はどういう意味を込めたいのか、その曲を聴いてどんな気持ちになってもらいたいのか、よく考えたうえで歌わせていただきました。
Q.タカシさんは9月に20歳になって、「Dramatic Seven」は7人が成人して初めてリリースされる作品でもあります。タカシさんは今、年長の6人のメンバーのことをどのように見てる?
みんな本当にストイックだなと思います。例えばライブ1つ取っても、ただ単にやるのではなくてどういう目的でステージに立つのか、目標はなんなのか。どういうセットリストにすれば超特急のことを伝えることができるのか、本当に真剣に考えていて。もちろん以前も考えていたんですけど、最近は今まで以上に強い気持ちを持ってステージを作ろうとしているから、そういう姿を見ていたらやっぱり「みんなお兄ちゃんやなあ」って感じます。でも自分も20歳を迎えたわけやし、お兄ちゃんたちに頼りきらず、「こうしたい」っていう意見を持って話に参加していきたいって思います。
-そうなんですね。
はい。みんなで作り上げたほうが、超特急がよりよいグループになるんじゃないかなって思うから。今まで僕って何かを考えても、それを頭の中で消すっていう自己解決の作業を繰り返していたんですよ。でも、それはもうやめようって。お兄ちゃんたちはみんな「いいのもはいい、ダメなものはダメ」ってちゃんと言ってくれるから、とにかく自分の思っていることはすべて出そうって思うようになりました。うん……だって、グループですもんね。
おわり。
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追記
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